BGA実装について

BGA実装について

ICパッケージの高密度化、高集積化が進み、SOPやQFPのほかにBGAが採用されるケースが増えてきました。QFPではリード(端子)ピッチ0.8mmや0.65mmのタイプは姿を消しつつあるようです。BGAパッケージを初めて採用されるお客様からのお問い合わせも増えてきたので、今回からはBGAの実装についてお話したいと思います。

初めてBGAの実装に取り組む方はご心配もあろうかと思いますが、個人的にはQFPパッケージと比較して、実装技術自体の難易度はあまり変わらないと考えます。むしろ、QFPよりセルフアライメントが働きやすく、実装ズレはおこりにくくなります。一般的な、1.27/1.00mmピッチのBGAの実装はそれほど難しいものではないと考えます。ただ、ランドの接合部が目視できないため、採用当初は、実装信頼性の確保のための評価・解析が必要になります。鉛フリーはんだを採用されるケースでは一層この品質評価が必要になります。

本稿でも折に触れて記述してきましたが、BGA実装に取り組む際には、実装信頼性の確保が重要になります。目視で確認することができないため、「X線検査装置」を買いたいという申し出をいただきますが、いきなりX線検査装置を購入することはお勧めできません。このコラムの「実装基板評価の仕方(1)」その3『写真4aおよびc』に掲載しましたが、管電圧が低いもの(50kV程度)ではボールの影が見える程度です。このタイプの装置ではせいぜい隣接するはんだのショートしかわかりません。できれば、ボイドを判別できる性能は最低限求めたいと思います。しかし、そのような設備は最低でも1000万円以上の価格になります。そこで、当社ではこの装置を購入するよりもアウトソーシングで検査することをお勧めしたいと思います。BGAの実装品質については、X線撮影を外部に委託してボイドの有無を確認し、断面観察で実装信頼性をチェックすることをお勧めしています。製造現場では、X線検査ではなく「マイクロスコープ」を使ってBGAの一番外側のランドをチェックすればよいでしょう。BGAでは、一番外側の特に四隅のはんだボールにストレスがかかるため、ボールのつぶれやマイクロクラックなどが最も発生しやすくなります。マイクロスコープは最近多くのメーカーが参入しており、いろいろな機種があります。ただ、BGAのランドを横から確認できる機種は少なく、筆者が知るところでは、国産では以下の2社があります。

  1. マイクロスクウェア社
    1. MS-1000
      手で持って観察できるものですが、スタンドを使うこともできます。倍率は70~100倍程度でお手軽です。\400,000-程度と価格も魅力的です。USB接続でJPEGやBMPで簡単に画像を撮影することができます。
      ドライバソフトをインストールしたパソコンがあればどこでも使うことができることも特長です(デモ機あり)。
    2. MS-3000
      MS-1000の上位グレード品です。バックライトシステムと組み合わせて奥のランドを確認することもできるスグレモノ。
      測長機能も備えており、基板の観察に最も適した装置。価格は\1,200,000-~\1,800,000-前後です。
  2. ハイロックス社
    レンズを作っている会社だけあってハイエンドの商品です。BGAスコープはオプションですが、焦点深度が深く測長機能を持ち、200万画素のカメラ、160GBのHDDに加えDVDでのデータ保存も可能です。価格は\5,000,000-程度です。

BGAのランドは横から観察すると、実装の出来が一目瞭然です。うまく実装されていれば、はんだボールの反射光が一直線に見えます。

BGA実装で注意することは実装温度(プロファイル)の管理です。既に実績をお持ちの場合は問題ありませんが、初めてBGA実装に取り組む場合、融点が高い鉛フリーはんだ実装では断面を観察して実装後の品質評価を実施することが欠かせません。弊社では、機器を購入した後でも実装品質のケアをいたします。

実装基板評価の 仕方(3)

実装基板評価の仕方(3)

「エレクトロニクス実装技術」にて、2007年4月号から「実装基板評価」という連載記事を担当させていただくことになりました。

今回も前回に引き続き、2007年05月20日発行の「エレクトロニクス実装技術 2007年6月号」の連載記事の第3回目を、コラムの代わりにご紹介させていただきます。

はんだぬれ性に関する認識

実装基板評価の 仕方(2)

 

実装基板評価の仕方(2)

「エレクトロニクス実装技術」にて、2007年4月号から「実装基板評価」という連載記事を担当させていただくことになりました。

今回も前回に引き続き、2007年04月20日発行の「エレクトロニクス実装技術 2007年5月号」の連載記事の第2回目を、コラムの代わりにご紹介させていただきます。

チップ部品のせん断試験と断面観察

実装基板評価の 仕方(1)

実装基板評価の仕方(1)

「エレクトロニクス実装技術」にて、2007年4月号から「実装基板評価」という連載記事を担当させていただくことになりました。

と言うことで今回は、2007年03月20日発行の「エレクトロニクス実装技術 2007年4月号」の連載記事の第1回目を、コラムの代わりにご紹介させていただきます。

実装基板評価の仕方

断面観察について(1)

断面観察について(1)

前回は、部品と基板の接合強度の話でした。今回は、断面観察に関して述べてゆきたいと思います。引っ張り試験やせん断試験の数値により、部品と基板の接合信頼性を測定することができますが、それだけでは完璧ではないと考えます。そこで、私たちは断面観察により、ボイドやはんだ濡れ上がりを確認することをお奨めしています。鉛フリーはんだはSn-Pb共晶はんだと比較して濡れ性が劣るため、不具合を発生し易くなります。当社では、主に以下の部品の断面観察を推奨しています。

《 断面観察する部品(ご提案)》

  1. QFP・COP・TSOPなどのSMD
  2. チップTRなど
  3. ディップ部品(TR・トランス・リレーなどピンの太いもの)
  4. コネクタ
  5. チップCR
  6. ディスクリートCR

今回はBGAの断面について話を進めます。

実際のBGAの断面は目視ではもちろん、X線写真でも判別することはできません。マイクロクラックも判別できるとは限りません。分解能が低い、廉価版のX線検査装置はなおさらです。X線検査については、管電圧が高い設備で検査する必要がありますが、設備の価格も高くなります。

X線で見られるものは、隣接するランド同士のブリッジ、または大きなボイドです。しかし、X線ではY方向のボイドの位置はわからず、管電圧が低い設備では焦点が甘くなって鮮明な画像を得られません。ボイドは完全に無くすことはできなくても抑制することは可能です。発生したボイドを見つけることに力を入れるよりボイドを減らす算段を考えるほうが得策ではないかと考えます。当社では、BGAは側面から観察する方法を提案したいと思います。BGAは端面のボールに応力がかかりやすく、不具合が発生しやすくなります。

外側のボールを側面から観察することである程度の実装品質を推定することができます。うまく実装できている場合には、ボールの形状も均一になります。ボイドの有無については、外注で検査してみてはいかがでしょうか?

お問い合わせはお気軽に当社にお申し出ください。

次回は、ラジアル/アキシャル部品についての断面観察のお話です。