鉛フリー実装の 評価試験(2)

鉛フリー実装の評価試験(2)

前回は、鉛フリー実装基板のはんだの接合信頼性を評価するために必要な試験をご紹介しました。これらの試験だけであれば工業試験場でも評価は可能です。しかし、大事なことは、試験の結果をどう判定し、どう品質の保証を保証するかを明確にすることです。

加速試験では、サイクル数に応じて検体を観察して製品の劣化の傾向やはんだの問題点を明らかにする必要があります。そのために、試験を実施した基板のはんだについて、機械的な特性を計測します。

弊社では、一般的な試験として、引っ張り試験とせん断試験などを実施して、そのデータと問題点の解決について提案をしています。

引っ張り試験は、QFPやSOPパッケージなどのリード線がしっかり基板と接合しているかを検査します。評価方法はJISで規格化されています。せん断試験は、チップ部品を側面からたたいて基板との接合強度を評価します。ラジアル・アキシャル部品については、外観を検査して断面を観察します。

この評価を、加速試験の初期、途中、最終の各局面で実施することによって、はんだがどの程度接合強度を保つことができるかわかります。これを鉛フリーはんだと以前の共晶はんだの2種類で実施すれば、鉛フリーはんだの強度を想定することができます。弊社では、個別のピンの接合強度を測定することで、はんだの強度・部品の耐熱性・基板の信頼性などの各方面から改善方法を提案させていただいています。

例えば、引張試験で部品と基板の接合部分のどの部位が、どの程度の力で破断したか共晶はんだと比較すれば、実装強度を判定することが可能です。

弊社では、信頼性試験と機械強度試験を実施することで、製品の寿命をある程度想定するお手伝いをさせていただけると考えています。

基板に部品を搭載する場合、SMDを実装する場合はリフロー炉、ラジアル・アキシャル部品を実装する場合ははんだ槽を使いますが、前者に比べて、後者の方法では、鉛フリー実装における不具合が多く起きているようです。今までの評価の実績に照らしてみた場合、特に、リードを挿入するタイプのコネクタでよくはんだにクラックが発生するようです。プリント基板は、周囲の環境によって膨張と収縮を繰り返します。これを人為的に行う試験がヒートショック試験ですが、基板の膨張と収縮は、Z方向に数値が大きくなるため、ラジアル・アキシャル部品においてリード線(ピン)の部分に不具合が発生しやすいと考えます。さらに、実装後に急冷しずらいことから、引け巣の発生も多く見受けられます。引け巣自体は不良ではないものの、外観上はクラックと見まがうこともあり好ましくありません。

表面実装のはんだを鉛フリータイプに置き換えるよりも、挿入タイプの部品のはんだを鉛フリー化する場合はご注意いただくことをお勧めします。