鉛フリーってどういうこと?
鉛フリー実装といって鉛の入っていないはんだを使ったところで、実装した部品に鉛が含まれていれば何にもなりません。
しかし、プリント回路板から100%鉛を取り去ることは、現状では現実的にはほぼ不可能に近い状況です。
そこで、JEITA(電子情報技術産業協会)では、機器と部品のカテゴリーで鉛フリー化の区分を設けています。
| 機器 | 部品 | |
|---|---|---|
| Phase 1 | 鉛フリーはんだ機器A ボード実装の段階で、基板表面処理・はんだ印刷・はんだ浴などに鉛入りはんだを使用しない。 実装する部品の接合部分及び部品内部ならびに構成材料などに鉛が含まれていてもよい。 |
鉛フリーはんだ対応部品 鉛フリーはんだ実装に対応するはんだ耐熱性があるもの |
| Phase 1A | 記載なし | 鉛フリーはんだ部品 ボード実装の段階で、基板表面処理・はんだ印刷・はんだ浴などに鉛入りはんだを使用していない。 実装する部品の接合部分および部品内部に鉛が含まれていても良い。 |
| Phase 2 | 鉛フリーはんだ機器B ボード実装の段階で、基板表面処理・はんだ印刷はんだ浴等に鉛入りはんだを使用していない。 かつ、実装する部品の接合部分に鉛が含まれていいない。部品内部及び構成材料などに鉛が含まれていてもよい。 |
鉛フリー端子部品 部品の基板などへの取り付け端子部のめっき・電極に鉛を含まない。 部品の構成部品・材料に鉛が含まれていてもよい。 |
| Phase 3 | 鉛フリー機器 鉛フリーはんだ機器の定義に加え、構成部品・材料にも鉛を含まない。 |
鉛フリー部品 内部接続及び/又は構成部品・材料を含めて鉛を含まない。 |
この表をご覧頂いてわかるのは、鉛フリー=鉛の全廃 を意味するものではないということです。
鉛の削減にあたっては、セットメーカーから実装会社、部品メーカー、開発会社まで、多くの会社の協力体制が必要で、鉛フリー=鉛の全廃 と杓子定規に規定してしまうことができません。そのため、上の表のように段階的に対応を進捗させてゆくことになったのです。
たとえば、セットメーカーが鉛フリーの製品を作ろうとしても、部品の内部(リードや端子)などに鉛が含まれていれば意味がありません。現在、対応を進めるにあたり、各社で対応が進んでいるのはPHASE1が主流です。部品各社の取組みによって、PHASE2への移行が進みつつありますが、電子部品の内部に使われる鉛の廃止は、セットメーカーの努力だけでは達成できず、部品メーカーの対応度合いがポイントになります。
しかし、部品メーカー側の対応を待っていては何も進みません。そこで、まずできることは、実装用のはんだを鉛フリーはんだに変えて実装信頼性を調べることではないかと考えます。
乱暴な言い回しですが、実装する者の立場では、はんだから鉛がなくなって一番問題になるのは、基板と部品の接合信頼性ではないかと考えます。つまり、はんだの組成が変わって接合信頼性がどうなったかを明確にすることが、鉛フリーはんだ実装に切り替える第一歩ではないかということです。
はんだを鉛フリーに変えて直面する問題点は、「ぬれ性」と「接合性(機械的な強度)」に「実装時の温度プロファイル」です。
つまり、部品側の対応はともかく、実装側で前出の表でいうところの「PHASE1」をクリアすることまでは準備だけでも進めることはできるのです。
よく、ゾーンの多い炉や窒素雰囲気対応の炉に変更することで鉛フリー実装に対応する方が多いようですが、温度プロファイルについては簡単にはゆきません。JEITAでは、推奨プロファイルを公にしてはいますが、このプロファイルがどの炉にも適応するものではありません。
つまり、温度プロファイルは、実装各社が自ら確立する必要があるのです。そのためには、はんだを変えて実装後の品質がどう変わるかを評価する必要があります。
最後になりますが、最近知られてきた現象で、フロー用はんだ槽の損傷の問題があります。製品の評価はもちろんですが、設備面での対応も検討してゆく必要があります。弊社では、ソルダーソリューション(株)様と提携して、お客様の鉛フリー実装への対応のお手伝いをさせていただきますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

