鉛フリー実装の 必要性

鉛フリー実装の必要性

前回のコラムでお話しました通り、人体に有害な物質については製品に含まれないようにしましょう、という方向性は世界的な流れになってきました。京都議定書が発効したことも記憶に新しいことと思います。日本でも、有害物質の排出については従来から法律による規制がありましたが、排出の規制にとどまらず、製品から鉛を無くすべきだという意見が出てきて、それが法令化されるに至りました。

EUでは、WEEE/RoHS指令が2006年7月に発効となります。これに対応できない商品は、発効期日以降はEUで販売できなくなることになっています。

RoHS指令とは、鉛(Pb)・水銀(Hg)・カドミウム(Cd)・六価クロム(Cr+6)・ポリ臭化ビフェニール(PBB)・ポリ臭化ディフェニール(PBDEの6種類の物質の使用を禁止するもので、違反した場合は罰則もあります。

WEEE指令とは、電気製品の廃棄に関する規定で、2003年のEUで公布されたものです。「設計・製造」「分別回収」「処理」「再生」などが網羅されています。わが国の「リサイクル法」に近いものです。

中国でも同様な取り組みが進んでおり、EUと同じ期日が設定されています。

話はさかのぼりますが、2001年にオランダ税関で、日本製の電子機器の部品からカドミウムが検出され、陸揚げを拒否されるという事件が起こりました。その会社では、部品の全数取り替えをすることで対応しました。つまり、先送りは許されない情勢になりつつあると言えるかも知れません。

ただ、日本ではリサイクルの回収率が高い、各物質を禁止する科学的根拠が薄い、品質の劣化を招くリスクがある、などの理由から、取り組みに温度差があることも確かです。4月19日付けの日経新聞では、日本でもっとも対応が進んでいると思われていた松下電器産業でさえ、今年3月までの対応目標を半年ずらすことを余儀なくされたことが報じられました。更に、EU版のRoHS指令は、各国が国内の法律を制定により規制が始まること、技術的な基準はTAC(技術適合化委員会)で調整中であること、(つまり基準が変わる可能性がある)などの理由から、EUの域内でも準備が遅れ気味に見えるようです。

具体的には、WEEE/RoHS指令による、国内法の公布期限(2004年8月13日)までに公布を完了したのは、フィンランド・ギリシャなど数カ国で、イタリア・ドイツ・フランスでは今年度中、イギリスは2005年度第1四半期に公布の予定となっています。

くれぐれも誤解のないようにお願いしたいのは、取り組みに温度差があっても、鉛削減の流れに変化はない、ということです。鉛フリー化への日程に前後はあるかもしれませんが、ISO管理の一環として、有害物質を含まない旨の証明が必要になると思われます。具体的には、鉛フリーで実装した機器の品質保証はもちろん、試験データの管理なども必要になるでしょう。試験に必要なデータの詳細については後の項で説明いたしますのでご期待ください。

最後に余談ですが、鉛フリー実装にあたっては一部の試験項目で、試験時間だけで2ヶ月前後かかるものがあります。信頼性評価については相応の時間がかかるので、鉛フリー実装への対応を検討されておられるお客様は、できるだけ早いうちにご相談ください。