鉛フリーって 何でしょう

鉛フリーって何でしょう

簡単に言えば、「鉛が入っていない」という意味です。「鉛レス」とか表現する場合もあるようです。

もともと、鉛という金属は、扱いやすい上に資源として豊富でコストが低く、電子機器にも早くから使われています。私自身を含めて、はんだこてを使った経験のある方は多いのではないでしょうか?

ところが、鉛が神経障害を引き起こしたり発ガン性が指摘されていることも周知の通りです。余談ですが、ベートーベンが鉛中毒であったという説もあります。ガソリンにも使われていたことは、ご記憶の方も多いと思います。

では、鉛を電子部品から無くしましょう。ことはそう簡単なことではありません(そんなことは言われなくてもわかる!?)。

冒頭で申し上げたとおり、鉛は電子部品にはうってつけの材料であったため、簡単には代替できるものがありません。融点・粘性・剛性など、同じ特性のものを探すのは至難の業です。基板と部品を接合するはんだ以外にも、部品のリード線や内部の材料にも鉛が使われている場合が多く、それらを含めて鉛を取り除かないと本当の意味での鉛フリーとは言えません。

また、はんだを変えると融点も変わるため、基板との接合後の信頼性確保も欠かせません。基板への部品の搭載(「実装」と呼びます)にあたり、はんだの温度管理(プロファイリング)も簡単ではありません。

一般論ですが、従来の共晶はんだで実装する場合、はんだが溶けはじめる温度からリフロー温度のピークまでは30~40℃の温度差がありました。180℃の融点を持つ共晶はんだでは、220℃強のピーク温度で実装すればよかったのですが、鉛フリーはんだでは融点が共晶はんだより高いため、リフロー温度を上げる必要があります。しかし、部品の耐熱保証温度もそれほど高いわけではなく、簡単にリフローの温度を上げるわけにはいきません。生産設備も従来のものが使えない場合があります。設備の更新にあたって、社屋の建て増しや建て直しを考えておられる実装会社もあり設備投資もばかになりません。鉛フリーはんだの価格自体も共晶はんだより高くなるようです。あるお客様が希少金属を含むはんだを使ったところ、いままでの7倍の値段であったという話もありました。

品質を落とすことなく鉛を無くしてゆくためにどうしたらよいか、言葉では簡単ですが、実践することは簡単ではありません。