フレキシブルプリント配線板とリジットプリント配線板の相違(7) ~ソルダーレジストとカバーレイ

フレキシブルプリント配線板と
リジットプリント配線板(FR-4/CEM-3など)
の仕様や工程に相違点が多いことはご理解いただくことができたと思う。

材料
層構成
積層工程の存在

板厚
銅箔

について言及してきたが、
まだ言い尽くされていない相違点が存在する。
今回は、
カバーレイとSR(ソルダーレジスト)に触れる。
フレキシブルプリント配線板には
可撓性(かとうせい)、屈曲性の特長を持つ。
スマートフォンが市場を席捲する以前の
俗称jガラパゴス携帯やノートPCのヒンジ部分
液晶表示(LCD)の端面と制御基板との接続部
さらにプリンタのヘッド可動部
などでの採用が拡大したフレキシブルプリント配線板は、
連続した屈曲動作が求められる。
このような、連続可動が求められる分野では
ソルダーレジストのインクによる印刷工法を採用すると
組み立て後の稼働中に剥離のリスクが存在する。
ただ、それでも
回路銅箔を外気から遮断する
外部からの応力から回路を守る
いくつかの信頼性を担保し一定の製造コスト抑制の目的から

スクリーン印刷、スプレー塗布の工法に

ソルダーレジストインクは採用され続けてきた。
しかしながら、
フレキシブルプリント配線板は、
ソルダーレジストが果たしてきた役割を
カバーレイフィルムが担う。
カバーレイフィルムはフレキシブルプリント配線板の銅箔を保護する。
フィルムの材料は、原則的にベースフィルムと同一であり、
ベースフィルムと同じ膨張係数を保有する。

フレキシブルプリント配線板の製造工程においては、

ベース基材と並行して加工されたカバーレイフィルムを

積層工程において貼りあわせる。

カバーレイフィルムの存在も

フレキシブルプリント配線板のコストアップ要因である。

経年劣化のリスクを軽減し、
フレキシブルプリント配線板の長期信頼性を担保する。
化学的なストレスから回路を保護する役割も果たす。

ただ、製造後に可動部で採用されない場合には
カバーレイの代替として
インクによるソルダーレジストが採用されるケースもあり得る。

当社では、

某材料メーカーと協力工場の支援の下で

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リジットプリント配線板のSRインクを

スクリーン印刷工法で塗布する。

カバーレイを採用せずに

一気通貫の製造工程を取り入れた。