フレキシブルプリント配線板とリジットプリント配線板の相違(8)~外形加工

最近、
フレキシブルプリント配線板の試作品の受注にあたり、
「金型を採用しない」
ことをメリットとして掲げるケースが散見される。
「金型を採用しない」とは、
レーザーカッターを利用して外形を加工する手法を指すと思われる。

海外で製造する場合には、でレーザーカッター加工することで
金型を製作するコストを低減させる工法が採用されうる。

ただ、レーザーカッターによる加工では、
材料の端面が炭化して外観不良を起こすリスクがあり

加工精度にも問題がある。

海外工場で製造する場合には、
レーザーカッターでの加工リスクを想定しておく必要がある。

そこで、ここでは敢えて金型加工による外形加工の手法を提案する。

フレキシブルプリント配線板の材質は
ポリイミドフィルムであり、
厚さも100μ前後の厚さだ。

従って、簡易金型(トムソン型)での加工も容易でコストメリットも大きい。
耐久性の問題があるが
国内での加工前提であれば、
100ショット程度の磨耗で使用不可能になることはない。

 

蛇足ながら、日本の製造業の品質は周知の通り高い加工技術を保有し、
金型の耐久性も海外製とは比較にならないほど高い。
フレキシブルプリント配線板の小口製品の製造であれば、
簡易型で数千ショットの加工に耐えるケースも少なくない。

金型によるパンチング加工は、

外形精度が精巧
フレキシブルプリント配線板の端面の炭化による
外形不良のリスクを回避することが可能
製造コストの低減確保が可能

などメリットが多い。

海外での製造体制下では、
加工手法が粗雑で、
金型の耐久性が低く、
加工精度にも問題が発生するリスクを内在する。

日本国内での加工体制であれば、
物流の手間やリスクが小さい。