引け巣対策の 実験(2)

引け巣対策の実験(2)

前回は、実装基板を急冷した際のプロファイルを掲載しましたが、このプロファイルで実装評価した基板の表面写真を撮影しました。全体的には大きな改善が見られたわけではありませんでしたが、何ヶ所かでは興味深い表面写真を得ることができました。

【写真1】
【写真1】-1
【写真1】-2
【写真2】
【写真2】-1
【写真2】-2

【写真1】と【写真2】を参照してみるとわかりますが、前者は実装後に急冷作業をしなかったもの、後者は実装後に冷却装置で急冷したものです。後者では、デンドライトがほとんど発生していないフィレットが数ヶ所ありました。この通り、はんだ付けの後に急冷することでデンドライトを抑制することができることは判明しましたが、はんだ付けの後にいかに早くはんだを冷やすかが問題になります。

デンドライトははんだが凝固する際に発生しますが、凝固する温度が220℃近辺であるので、凝固点まではんだの温度が低下する前に冷やすことができれば引け巣(デンドライト)の発生も抑制することができるのではないかと考えました。前回のプロファイルでは、ピークから20℃ほど温度が低下してから冷却していたため、次回はさらに早いタイミングで冷却する方法を検討することとしました。また、デンドライトが発生しているフィレットとそうでないフィレット内部について、それぞれ断面観察を実施した上で調べてゆきたいと思います。ほかに、評価基板の穴径の異なる部分のフィレットでもデンドライトの発生分布に違いが見受けられました。この部分についても今後の実験の中で検証してゆきたいと考えています。