鉛フリー実装と 部品ライブラリ

鉛フリー実装と部品ライブラリ

はんだから鉛が無くなって変わるところを今一度おさらいしてみましょう。以下は、Sn-3.0Ag-0.5Cuを想定しています。

  1. 融点が上がる(183℃ → 約217℃)
  2. 非共晶である(融ける温度と固まる温度が必ず同じとは限らない)
  3. 硬さが異なる(濡れが悪くなる)

などが大まかに言って挙げられます。

そこで、接合強度の評価が求められる訳ですが、濡れ性が悪くなるため、ランドの不濡れ(赤目)が多く発生することはご承知の通りです。そこで、ランドの形状(部品ライブラリ)をどう変えるか、が問題になります。今までは、部品メーカーの推奨ランドがありましたが、実装品質はライン毎に異なるため、メーカーの推奨ランドをそのまま使えばよい、という状況ではなくなります。

では、どうのように部品ランドを規定すればよいのでしょうか?

まず、表面実装部品は、Z方向の膨張収縮の影響を受けにくいことから、ボイドと低融点合金の形成に注意を払えばよいのではないかと考えます。つまり、接合強度を第一に考える必要があります。言い換えれば、接合強度が保持されていればよいということになります。詳しくは検査・評価項目は別の項で述べましたので参照してください。ランド端の赤目は端的に言って気にすることはないと考えます。ただ、赤目を放置しておくと酸化が進みます。そこで、赤目の対策としてランドを小さくすることをお勧めします。QFPやSOPの実装では、フロントフィレット・バックフィレットが形成されていれば、接合強度の上で問題はありません。

コンデンサ

次に、フロー実装部品ですが、基板のZ方向の膨張・収縮の影響を多く受けることもあって品質の管理が特に重要です。不濡れやボイド、低融点合金の生成に加えてクラックの発生など、品質低下に直接つながる不具合が多発します。部品ライブラリについては、現状では即効性のある方策はありません。スルホールにはんだがあがれば、部品面側のランドを小さくする選択肢もありますが、スルホールにはんだがあがらなければ意味がありません。多層板では内層のグランドや電源層ではんだが止まってしまうケースもあります。

コンデンサ

そこで、穴径・ランド径の仕様をどうするかをしっかり検証する必要があります。穴径は特に重要です。部品のリード(ピン)と穴径の相関関係をチェックして、最適な穴径とランド径を見つけてください。その前にコンベアの角度や速度、温度プロファイルなどの条件出しもして、ボイドや引け巣の対策をしておくことも必要です。評価結果を基に部品ライブラリを構築してゆくことになります。同じ部品を同じ条件であってもはんだ上がりは同じではありません。当社では穴径とはんだ上がりを評価することができる評価基板を販売しています。