基板を安く買う(3) 番外編

基板を安く買う(3) 番外編~試作品のコストダウン

私自身の認識では、一般的なプリント配線板はドリルで穴をあけてめっき~露光~エッチングといった工程を経て、緑色のインクやシルク文字を印刷するものと考えておりましたが、この方法では、どうしてもイニシャル費用がかかってしまいます。プリント配線板メーカーを退職し、購入する側に回ってみるとこのイニシャル費用はどうにかならないかと考える立場がよくわかるようになりました。最近は特に一次試作品の基板にまで量産品と同等の品質を求めることの意味に疑問を持つようになり、イニシャル費の低減に取り組むなかで今回の加工方法を採用することにしました。

今回の工法は、一種のサブトラクティブ法ではありますが、エッチングによってパターンを形成するものではありません。従って薬品は使用しません。また大きな設備も必要としませんし、1台の加工機と銅張積層板のみで製作可能です。当方では初期試作(単なる動作確認や機能確認)であればレジストも不要であり、イニシャル費はデータ作成費用のみにすることができると考えました。実際に加工した基板の写真を掲載しますので参照してください。L/S=100μ/100μのような細線パターンを加工することは不可能ですが、ちょっとした機能試作用基板(製作数量10枚未満)であれば、イニシャル費をかけなくてもそこそこのプリント配線板はご提供することが可能になりました。ご興味がある方は、当社までお気軽にお問い合わせください。

【写真1】
【写真1】加工基板1
【写真2】
【写真2】加工基板2